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善さんの営業技術奮戦記 第1話 |
第1話 なんでぼくが? |
ホント言うと、この会社に入った経緯から話をしなければならないところですが、それは別の機会に置いておくとして、私は90年に入社してから7年間、トヤタ社向けメータの設計一筋でやってきました。 あれは96年の4月頃だったか?当時最後のスターレット(EP90系)のメータの量産が完了し、次はビスタのメータ開発を任された頃のある日、うちの室長に呼ばれたのです。 室長 「おーい、ナカムラくん。」(あこがれのハワイ航路じゃないっつーの!) 善 「ハイッ!」(当時は若かった) 室長 「東京で営業技術が要るそうだ!君、どうかね?」 善 「へッ?・・・」(頭は真っ白け中・・・そんなこと希望した訳じゃないぞ、なんでぼくが?) 善 「そっ、そーですか?何をするのですか?」 室長 「ホソダさんの、2輪の営業技術で、メータに詳しい人が欲しいそうだ。」 善 「いやー、私はずっと車用メータの設計だったので、あまり適任じゃないですよね?」 室長 「まぁ、営業技術なんて向こうで設計する訳じゃないから一般的な知識さえあれば大丈夫だろう。」 善 「えっ、そーなんですか?しかし、何をやるんでしょう?」 室長 「なんだろうなぁ?でも、大丈夫!ナカムラくんならできるだろう!」 善 (オイオイ!) 「いやー、私もこの部署に志願してやってきて、良い仕事を任されてやってきたという思いがあるのですが・・・会社が私を東京で必要だと言うのであれば仕方ありませんねぇ!」(精一杯後ろ髪を引いたつもり) 「ところで、なんで私なんでしょう?」 室長 「君、希望してなかったっけ?営業技術」 善 「そーでしたっけ?」 室長 「ホレホレ」(と、キャリアデザインシート※を見せる)「営業技術のところに希望出してるじゃん」 善 「いやいや、それは第2希望でしょう?第1希望は設計なんですが」(^_^;) 室長 「そっかー、で、どうなの?」 善 「はーっ、行かないとは言いません・・・じゃなくて、行っても良いですけど。」 室長 「じゃ、ヨロシク頼むよ」(パン・・・肩をたたく音) 善 「はぁ!・・・ところで、帰れるのでしょうか?」 室長 「ん?そういう話は聞いてないなぁ。よくわからん。帰れんかもしれんなぁ。」 善 「そーですか!」(ガックリ) 実際にはもう少し踏み込んだバトルがありましたが、ほぼこの様なやりとりがあって、その1年後、私は東京に行かされました。 正直なところ、次期ビスタのメータ開発はとてもおもしろそうだったので量産完了させて行きたかったし、ほかにもいろいろやりたいことはありました。東京なんて行ったことないし、相手はあの悪名高きホソダさん・・・なので、不安は募ります。しかし、サラリーマンなので、社命とあれば仕方ありません。 ただ、出て行くときに、「絶対に帰ってくるぞ!」という思いと、「技術屋なんだ」という気持ちを込めて、当時の部署の名刺を1枚だけ残して財布にしまっておきました。その名刺は今も財布の中にあります。 私が営業に行く前にこんな経緯があったのです。 |
(続く) |
※キャリアデザインシート:2年に一度、業務の経歴と将来への希望を会社に打ち上げる用紙 |